2-1. 主語はどうしたらよいか?

2-1. 主語はどうしたらよいか?

ここで、英語で科学論文を書くときの主語の表現の仕方を紹介します。

2-1. 主語はどうしたらよいか?

科学論文では、WeやIなどをあまり多用しない

事柄やものを主語にした受け身表現を基本とするが、人を強調する場合には、人を主語にした文しても問題ない。うまくバランスを考えて不自然にならないように使い分けます。

 

例文
Professor Sato has recently developed a method of THz-time domain spectroscopy.
⇒人を強調
THz-time domain spectroscopy have recently been invented by Professor Sato.
⇒事柄を強調

 

通常であれば、後者を科学論文で用いたほうが良いが、意図によって使い分ければよいでしょう。

 

It ... who ...やIt ... for ... to...という形は科学論文ではほとんど使わない

例えば、

 

It is Professor Okada who has recently invented THz-TDS.

 

こういった表現は主に小説や会話などで使われる強調構文であって、科学論文にはあまり適しません。

 

同様に、次の表現もあまり使いません。

 

It was difficulut for researchers to perform THz-TDS measurements.
It was found difficult for us to conduct the measurements without THz-TDS.

 

上のような表現は、長い主語を避けようとするテクニックで、主に会話などで使わるのが多いでしょう。
ちなみに、上の文章内ではdifficultという形容詞が比較の対象を示さずに使われていて、難しさが抽象的で筆者の主観に大きく依存するように思われます。同様に、定量化が可能な形容詞(large、small)を、定性的に使うのもあまり好ましくありません。より科学論文にふさわしい文章に直すと、以下のようになるでしょう。

 

○The THz-TDS measurement cannot readily be done, as has been demonstrated in early studies [ref.1-10].

 

it ... that ...の構文はよく使う表現

 

It is widely recognized that the THz-TDS measurement requires a high performance femtosecond laser.