段落分けのポイント

段落分けのポイント

分かりやすい段落分けを心がける

Introductionにおいて、段落を構築する際には、とにかく分かりやすさを心掛けることが大事です。推理小説では、もし、最初に犯人の名前を言ってしまうと、その本は台無しになってしまうでしょう。犯人が分かっているので、その本を読み進める際には、その人の行動のみに注目して、その他の部分は読み飛ばしていくでしょう。つまり、科学技術論文では、それぞれの段落に置いて、早いうちに犯人をばらしてしまうようにします。そうすると、読み手がIntroductionをざっと読んだときに、論文全体の内容を容易に理解してくれます。

 

日本人の若い研究者は、概して、多くの人に自分の論文を読んでほしいと思ってしまい、非常に幅広い内容をIntroductionに込めようとします。しかし、そうすると、論文の主題がぼやけてしまい、結局本当に読んでほしい読者の目にも止まらなくなってしまいます。大切なのは、推理小説の分かりやすい犯人をはじめのうちにばらしてしまうことです。

 

どのように、犯人をばらすのでしょうか?

 

科学技術分野では、通常、それぞれの段落の最初の文で、その段落の主題を表し、その段落の内容を読者に説明をしてしまいます。そして、以降では、主題に関連する内容、つまり、

  • 主題の議論
  • 主題の説明、描写
  • 主題の定義
  • 主題の例
  • 主題の言い換え

等になります。こうした主題から内容が離れた内容に移るときには、別の段落を作り、新たに始めることになります。

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