Introdoctionを書くためのモデル

Introduction執筆モデル

Introductionを書くためのモデル

Introductionを書くための練習(1)(2)から得られた文章をここでまとめてみましょう。

 

  1. 筆者は、自分の研究テーマの重要性を述べている
  2. 筆者は、読者に対して、研究について、もしくは研究対象の一般的な情報を与えている。
  3. 筆者は、文章(1)と文章(2)と同様に、研究の重要性と一般的情報を伝えている。ただし、ここでは、リファレンスを挙げながら、より専門的な内容に踏み込んでいる。
  4. 著者は、問題点を指摘し、現在の研究が焦点を当てている点を説明している。
  5. 筆者は、ここで一般的な問題の話から、論文の議論へと移している。
  6. 筆者は、議論したい研究分野においての主要研究の簡単な概要を説明している。
  7. 筆者は、これまでの研究での足りない部分を説明している。
  8. 筆者は、自分の論文がどのようなものなのか説明をしています。
  9. 筆者は、論文内で使用している研究手法の詳細を説明している。
  10. 筆者は、研究内での発見、成果を述べている。

 

これが、お手本論文から得られたIntroductionを書くためのモデルとなります。このモデルに、自分の研究の具体的な内容を当てはめて、自分なりのIntroductionを作ってみてください。

 

より柔軟なモデル

上記のモデルを4つの大きな部分に分けて、大まかな意味を考えてみましょう。

 

(1)
あなたの論文の重要性の説明
バックグランドとなる過去の研究内容の説明
タイトルにある専門用語の説明
現在抱えている問題点の説明

 

(2)
過去、もしくは現在の論文の貢献について説明

 

(3)
過去の研究の問題点、足りない点の説明
これから解決したい問題の説明
予想される結果、状況説明

 

(4)
自分の論文の説明

 

細かな内容を大まかに分けると、Introductionでは、上記のような4つの内容が盛り込まれていれば十分です。では、実際の論文のIntoroductionを読んで、それに上に分けた4つの番号を振り分けてみましょう。以下に、具体的なやり方を説明します。

 

「OPTIMAL LOCATION DISCRIMINATION OF TWO MULTIPARTITE PURE STATES」

 

1. INTRODUCTION
Entanglement lies at the heart of many aspects of quantum information theory and it is therefore desirable to understand its structure as well as posibble.⇒(1) One attempt to improve our understanding of entanglement is the study of our ability to perform information theoretic tasks locally on non-locally states, such as the local implementation of non-local quantum gate [2], telecloning [3], the remote manipulation and preparation of quantum states [4], or the recently studied question of the local discrimination of non-local states by a variety of authors.⇒(2) In [1] it was shown that any two orthogonal pure states can be perfectly discriminated locally, whereas in [5] examples of two orthogonal mixed states wre presented which cannot be distinguished perfectly locally.⇒(3) Another surprising development is that there exist bases of product orthogonal pure states which cannot be locally reliably discriminated, despite the fact that each state in the basis contains no entanglement [6].⇒(3) Here we discuss the issure of discriminating two non-orthogonal pure states locally, and show that in this regime the optimal global precedure can be achieved.⇒(4)

 

 

このように、ネイティブスピーカーが書くイントロダクションには、大きく分けた4つの項目が含まれていることが分かります。あなたの研究分野の論文においても上記の分類を試してみてください。きちんと書かれた論文では、項目1から始まり、その後項目4まで、順番通りに出てくることがわかるでしょう。ただし、項目2と項目3は、何度か出てくることになり、ほとんどのケースは、項目4の内容で終わることになります。

 

以上のような4つの項目を意識しながら、他の研究者の論文を読んだり、自分の論文執筆をしてみてください。

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