Introductionでの能動、受動態

能動態と受動態の使い分け

Introductionでの能動、受動態の使い方について

学生の論文の指導をしていると、科学論文の中で「We」を使ってよいのかどうか、よく質問されます。答えは、あなたの研究グループを示すときには、「We」と使っても問題ありません。しかし、あなた自身、一般的に一人の人間に対しては、使用するのは避けるべきです。論文では、「We know/think that ...」という主張ではなく、「It is known/thought that ...」という表現になるように心掛けて文章を作り上げましょう。また、論文の中心となる「report」では、「We」ではなく、受動態を使うようにしましょう。(was measured, was added, など)

 

もし、あなた一人で研究を進め、論文を執筆している場合は、能動態の「I」は論文使いませんので、受動態で表現していきます。また、あなたの論文を表す時には、「here」や「in this study」、「this article」、「thre present paper」などの表現を用います。

This article describes an algorithm for clustering sequences into index classes.
The present paper presents a set of criteria for selecting such a component.

 

科学技術論文の中で受け身を使うときに注しなければならない点は、その行動を行った主体が誰か、何かということが、文中に明示されないことが多いことです。主語がはっきりしない時には、その文章の内容を、読み手が勘違いしてしまうことも起こります。例えば、もし、あなたの論文や過去の研究で明らかにした内容を説明したいときには、「this article」や「previous our work」などと、「誰が」という主語を付けた能動的な文章の方が良いかもしれません。「x is presented.」という、受動態では、「誰が」という部分があいまいになってしまいます。

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